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春(はる)の使者(ししゃ)「桜(さくら)」の下(もと)で自然(しぜん)との調和(ちょうわ)を感じる(かんじる)

今年(ことし)は去年(きょねん)よりも桜(さくら)の開花(かいか)が各地(かくち)で遅く(おそく)なりましたね。皆さん(みなさん)、お花見(おはなみ)は楽しまれました(たのしまれました)か?

桜(さくら)の花(はな)を見ながら(みながら)お弁当(おべんとう)を食べたり(たべたり)、お酒(おさけ)を飲んだり(のんだり)するのも楽しい(たのしい)ですが、桜(さくら)の木(き)の下(した)をゆっくりと散歩(さんぽ)するのもおすすめです。


私たち(わたしたち)が愛する(あいする)桜(さくら)は、美しい(うつくしい)景観(けいかん)を提供(ていきょう)するだけでなく、都市(とし)や自然(しぜん)の生態(せいたい)系(けい)においても重要(じゅうよう)な役割(やくわり)を果たして(はたして)います。




桜(さくら)の木(き)は、都市部(としぶ)における緑(みどり)のオアシス(おあしす)として機能(きのう)し、多く(おおく)の昆虫(こんちゅう)や鳥類(ちょうるい)にとって重要(じゅうよう)な食料源(しょくりょうみなもと)や生息地(せいそくち)を提供(ていきょう)しています。特(とく)に、春先(はるさき)に花(はな)を咲かせる(さかせる)ことで、早い(はやい)時期(じき)に活動(かつどう)を始める(はじめる)昆虫(こんちゅう)たちに必要(ひつよう)な花粉(かふん)や蜜(みつ)を供給(きょうきゅう)し、これらの小さな(ちいさな)生物(せいぶつ)の生態(せいたい)系(けい)全体(ぜんたい)に影響(えいきょう)を与える(あたえる)食物(しょくもつ)連鎖(れんさ)の初期(しょき)段階(だんかい)を支えて(ささえて)います。


さらに、桜(さくら)の木(き)は空気(くうき)の浄化(じょうか)にも役立って(やくだって)います。葉(は)は二酸化炭素(にさんかたんそ)を吸収(きゅうしゅう)し、酸素(さんそ)を放出(ほうしゅつ)することで、都市(とし)のCO2(CO2)濃度(のうど)を下げる(さげる)手助け(てだすけ)となります。また、葉(は)や花(はな)が雨水(あまみず)を捉える(とらえる)ことで、雨水(あまみず)の地表(ちひょう)への急速(きゅうそく)な流出(りゅうしゅつ)を減らし(へらし)、洪水(こうずい)のリスク(りすく)を低減(ていげん)し、地下水(ちかすい)の再充填(さいじゅうてん)を助ける(たすける)など、水(みず)循環(じゅんかん)にも貢献(こうけん)しています。


川沿い(かわぞい)に桜(さくら)が多く(おおく)見られる(みられる)のは、江戸(えど)時代(じだい)に大雨(おおあめ)が降り(ふり)、川(かわ)が氾濫(はんらん)することがしばしばあったためです。その解決(かいけつ)策(さく)として、土手(て)に桜(さくら)を植える(うえる)ことにより、毎年(まいとし)多く(おおく)の人(ひと)が花見(はなみ)に訪れ(おとずれ)、自然(しぜん)と土手(どて)を踏み固める(ふみかためる)ことで増水(ぞうすい)に耐えられる(たえられる)土壌(どじょう)を作った(つくった)そうです。


このように、桜(さくら)はただ美しい(うつくしい)だけでなく、私たち(わたしたち)の住む(すむ)環境(かんきょう)を支える(ささえる)生態的(せいたいてき)な役割(やくわり)も担って(になって)います。次(つぎ)に桜の木(き)の下(した)を散歩(さんぽ)する時(とき)は、そのような多面的(ためんてき)な価値(かち)にも思い(おもい)を馳せて(はせて)みてはいかがでしょうか?


また、「桜(さくら)」といっても、その種類(しゅるい)は500(500)種類(しゅるい)以上(いじょう)あると言われて(いわれて)います。代表的(だいひょうてき)な「開花(かいか)宣言(せんげん)」がされるのは「染井吉野(そめいよしの)」という品種(ひんしゅ)です。大田区(おおたく)では、染井吉野(そめいよしの)はそろそろ散って(ちって)いますが、八重(やえ)桜(ざくら)や他(た)の種類(しゅるい)の桜(さくら)を見る(みる)ことはできます。わたしたちが活動(かつどう)している洗足(せんぞく)池(いけ)の周り(まわり)では、染井吉野(そめいよしの)以外(いがい)にも山桜(やまざくら)や枝垂桜(しだれざくら)を見る(みる)ことができます。今年(ことし)は染井吉野(そめいよしの)以外(いがい)の桜(さくら)を探して(さがして)みませんか?

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